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天ぷら重兵衛
中居屋の天ぷら茶漬け
ここはただの和食処ではありません。今から約180年前、この地に生まれた中居屋重兵衛の子孫がやっているお店で、現在七代目です。中居屋重兵衛は、安政6年の開港と同時に横浜に出店し、生糸貿易の先駆者として巨万の富を築きながら、出店後数年で消息を絶った謎の人。
その中居屋のフロンティア精神を発揮した一品がこの天ぷら茶漬けです。どんぶりからはみだすばかりの豪華なエビ天が二匹もお茶漬けの中に身を浸しています。一般庶民なら、高価なエビ天をお茶づけにしてしまうなんて考えもしないところですが、それをあえて庶民の味方、お茶漬けと融合させるところが、本当の贅沢なのかもしれない・・・・。
こちらは中居屋丼
これは、づけになったマグロが御飯に載っています。タレのしみた御飯がまたおいしいのです。ところで、中居屋重兵衛の才能は、商才だけではありませんでした。当時、秘伝とされていた火薬の作り方を公表した本を書いたり、蘭学や医学にも秀でた学者でもあったのです。その傍ら、浪士の支援もして、最後は追われる身となり、42歳で謎の死をとげました。彼の波乱に富んだ一生は、北大路欣也が主役を演じた「動天」という映画にもなっています。お店の中には重兵衛の資料も展示してあるので、歴史の勉強もしながら味わってください。
山菜天ぷら
中居屋の得意分野は、嬬恋村で採れる山菜の天ぷらです。その数なんと70種類! あきのきりんそう、おらんだがらし、はないかだ、こあじさい、かえで、など珍しい山菜が目も口も楽しませてくれます。場所は、万座鹿沢口駅付近の群馬銀行の向かいにあります。付近には中居屋重兵衛の碑もありますので、歴史散歩の途中で寄ってみるのもまたおもしろいですね。
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